上には商店、
下には水道管。
大正時代、西宮から神戸に
水道管が通され、その上に道ができ、
やがて「水道筋」と呼ばれる街になりました。
人が集まれば店も集まり、
500余の店が集まる
神戸有数の商業地として発展してきました。
8つの商店街と4つの市場が東西に細く連なる、
生活に密着した気さくなこの商業地は
大きなショッピングゾーンでは味わえない、
懐かしい暖かな空気の中で
お買物や食事を楽しむことが出来ます。
東西に細長く伸びる水道筋には
多くの歴史が眠っています。水道筋商店街の3つの歴史
水道管の上と水との出会い
大正時代に武庫川支流の千せんがり刈貯水池から神戸市内に水道が引かれた際に水道管が通され、その上にできた街が水道筋。だが、それ以外にも水との関わりをいろんなところで見つけることができる。
「通」じゃなく「筋」なワケ
一説によれば、道沿いに町家が並んでにぎやかな「通」の脇の道を「筋」と呼ぶそうだ。実は、水道管が敷設された大正時代、既に畑原市場あたりはにぎわいを見せていた。活気ある市場の脇をシュっと水道管が通った時、その道は間違いなく「筋」であった。
自慢の大屋根、長さ1.2km
水道筋商店街のアーケードは約450m。神戸でも有数の長い屋根が東西に伸びている。もともと露天でスタートした水道筋商店街は、1958年(昭和33)にアーケードが完成し、全天候型のショッピングゾーンになった。
ぶらりと過ごしながら、
お気に入りの水道筋を見つけてみて。水道筋商店街の3つの魅力
水あるところに豆腐あり
水の美味いところに美味しい豆腐あり、と言われる。水道筋かいわいにも豆腐店が多い。特に畑原市場は「豆腐市場」と呼ばれるほど。
同じ豆腐でも、店の数だけ製法やスタイルがあり、客は好みやその日の料理に応じて選ぶことができる。
全ての道は散歩のために
水道筋という名前が、実はニックネームだったということはあまり知られていない。本名は「市道坂口石屋川線」。つまり、もともとは道だった。水道管を埋めた跡にできた道を人びとが行き交い、店が集まり、やがて街になった。その街が名乗ったのが、原点である道の通称だったのだ。
大事にします、古い物たち
商店街としての歴史は80年あまりだから、そりゃあ古都や城下町に比べると、まだまだ若い。なのに、訪れた人が「どこか懐かしい」という水道筋。灘中央市場には、かなり年季の入った子供の遊具がある。修理やリサイクルを繰り返して長く使い続ける。「老舗」や「レトロ」と声高に言わずとも、古い物がごく当たり前に大切にされる街なのだ。